会計・経営リポート コラム
「社長にしかできない仕事」
ひと昔前なら「理想の社長」として、松下幸之助や本田宗一郎といった日本を牽引してきたビジネスパーソンの名前があがったでしょうが、 今どきはカリスマ性のある芸能人、偉業を成し遂げたスポーツ選手、一世を風靡した「時の人」、歴史上の有名人物などが上位に名を連ねます。
2005年に東京商工会議所が新入社員に聞いた「理想の社長」アンケートでも、1位の堀江貴文(ホリエモン)以下、星野仙一、北野武、イチロー、 坂本龍馬と、まさに時の人、一流のスポーツ選手、有名芸能人、歴史上の人物が見事に並びました。この手のアンケートで注目すべきは、「誰」が選ばれたかより、なぜその人を選んだかの「理由」でしょう。
堀江貴文/新しいことへの挑戦や行動力がある。先見性・創造力がある。
星野仙一/強力なリーダーシップや統率力がある。人を引きつける魅力がある。
北野武/ユニークな発想・独創性がある。才能とリーダーシップがある。
イチロー/努力家で向上心を持っている。有言実行。信念を持っている。
坂本龍馬/行動力やリーダーシップを持つ。先見性・独創性を持っている。
理由に共通するキーワードは、「挑戦」「行動力」「先見性」「リーダーシップ」「独創性」「想像力」。 つまり、強力なリーダーシップを発揮しながら常に先を読んで行動するチャレンジ精神を持った人を「理想の社長」と考えている人が多いということです。
「社長の仕事とは?」の問いには、「判断と決定」「理念を語る」「戦略の立案」など様々な意見があるでしょうが、「社長にしかできないこと」こそ社長の仕事です。 なでしこジャパンの澤穂希選手は「苦しかったら私の背中を見なさい」と後輩に檄を飛ばして、どんなに苦しい場面でも自ら先頭で戦っています。 その澤選手は、自分が考える「理想のサッカー選手像」の背中を見ながら走ってきたのでしょう。社長には、社長にしかできない仕事をする責任があります。 今こそ、自分なりの「理想の社長像」を追いかけて行く背中を社員に見せていこうではありませんか。