会計・経営リポート コラム
【 タイムマシンに乗って!】
過去と他人は変えられない(従って未来と自分は変えられる。自分次第で、未来はどうにでもなるのだという、前向きのメッセージ)。と語っていた有名な経営者がいましたが、スキャンダルで過去の名声を失ってしまいました。
さて最近つくづく思うのは、実は過去も他人も変えられるのではないかと言うことです。他人の変え方は別稿(たぶん来月)として、過去はなぜ変えられるのか?
私の体験談です、サラリーマン時代の上司が、私の作成した文書を何度も訂正させる。しまいには手紙の折り方、切手の貼り方まで叱責を受ける。また、その上司の指示が曖昧で生じたミスが、全て部下(私)のせいとなり、土曜、日曜の終日残業、翌週の深夜までのお客様への謝罪。毎日夢に出てくるくらい憎んでいた上司。
私たちの記憶は固定的な「もの」のように考えがちですが、実は曖昧なものであり、さらに記憶は「もの」ではなく、脳の一種の「状態」なのだそうです。従って思い出す時の心理状態で、中身は変わると言うことになります。過去に起きた事実は変えられないけれど、その意味と解釈は変えられるのです。
今、私が良い仕事ができるのは、苦しい体験があるからで、その中心にいたのが当時の上司です。従って、今は心底感謝の気持ちで一杯です。エ―!夢に出るほど憎んでいたのが、感謝に変わっているのです。皆、現在を充実させることにより、過去もよい記憶に変えることができるのです。心にタイムマシーンを持っているのです。