会計・経営リポート コラム
【カモはなぜ鳴くの?】
新型コロナウィルスが蔓延していますが、人(社会)がコロナに負けないという事は、ワクチンや治療薬が出来るだけではなく、
コロナにどう対応出来るかという事ではないでしょうか。
コロナ感染者の行動を責めたりその家族や会社、発生したお店などに嫌がらせのメール等を送ったり、
心無い噂話を流したりすることがウィルスに負けるという事なのだと思います。感染しても名乗り出せなくて状
況をさらに悪くしている例もあるのではないでしょうか。障害者やハンセン病の差別と繋がっているようで怖いですね。
また、恐れすぎて経済行動を必要以上に停滞させ窮状をつくり出す事も負ける事になるのだと思います。かつて 1年間に 15,000人以上の交通
事故死者数を出し(1970年代)日清戦争の死者を上回り交通戦争と呼ばれていました。しかし車を利用しないという選択ではなくガードレールの
設置、シートベルトの義務化、車の改良、飲酒運転等の罰則の強化などにより車の増加にもかかわらず現在は年間 3,200 人余りの死者数に減少しました。
コロナに負けないヒントになりそうですね。
仏教で心の三毒と言われるのは「貪(とん)」むさぼる事、物や金銭に執着すること・「瞋(じん)」怒る事、妬み、恨み・「痴(ち)」愚かで無知な事
です。正しい知識と平静な態度で「瞋(じん)」や「痴(ち)」の毒を無くしていきたいですね。
コロナ感染者に対する人間の嫌な側面とは別に優しさや思いやりを伝え合えるのもまた人間です。感染者拡大防止の立場から店名を公表する飲食店主、
苦境に陥ったその店を応援し食事に利用する人。このような行動が社会を良い方向へ向かわせそれがひいては又、自分に返ってくるのではないのでしょうか。
カモは鷲を見つけると自分だけ逃げ、仲間が鷲に襲われるのを黙って見ていれば安全なのに危険を知らせる為に鳴くそうです。
鳴き声を発したカモは鷲の注意をひくので危険にさらされますが群れが逃げられる確率は確実に高まります。
自分の危険を省みず仲間を思いやる気持ちは、「痴(ち)」とは対極ですね。「情けは人のためならず」です。
単に親切というだけでなく又、自分(自分の家族や仲間)に必ず返って来るのだと思います。