業務案内|中央総合会計

    会計・経営リポート コラム

    【減らない貯蓄】

    五千円札に肖像が描かれたこともあり北海道にも縁のある新渡戸稲造はお金の貯蓄も大切だが体力や知識も蓄えるべきだといい、さらに最も大切なのは「徳の貯蓄」だと教えたそうです。また徳の貯蓄は、いかなる地位や状況にある人でも行おうとする意志さえあれば必ず出来るものだと語っていたそうです。それでは徳とは何でしょうか。徳は得と発音が同じで「身に得たよきもの」が徳となるようです。古代ギリシャでは徳は人間が備える良き性質のことで知恵・正義・勇気・節制を四元徳と呼んでいたそうです。キリスト教では信仰・希望・愛が徳となるようです。日本では古事記などの神話に見られる「清き明(あか)き心」が元徳「おおもとの徳」と見られていました。なんとなく徳の雰囲気がわかってきたような気がしますね。要するに自分が他者(社会あるいは天や神)と共により良く生きていくために必要な精神の能力が徳であるといえます。
    簡単にいえば人格や人間性、品性と言っていいかもしれませんね。しかし、これらは目に見えないので行動であらわす必要があります。理性的で自分を律した行動、勇気ある信念のある行動、正義感、笑顔や周りを明るくする言動、相手を認め(承認)しキズつけない言葉、愛のある言葉…。善なる行為(善行)の積み重ねが徳となるのだと思います。
    経営学者のドラッカーも経営者に必要な能力の一つとして真摯..さを挙げていますが、これはこの徳や善行に当たるのではないのでしょうか。お金を使うのは得意だが貯蓄はちょっと苦手という方はこの徳の貯蓄をしてみてはいかがでしょうか。いくら使っても決して減ることがないのがこの徳の貯蓄だと思います。本年も残り1ヶ月をきりました。降り始めた雪も根雪になりそうです。お体に気をつけて師走をのりきって下さい。

    過去の記事