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    会計・経営リポート コラム

    「先人の商売魂に学べ!」

    全世界で2000万部以上を売り上げ、いまだに売れ続けている成功哲学の名著『7つの習慣』(スティーブン・R・コヴィー)に「Win-Win(ウィン・ウィン)」という言葉が出てきます。
    「Win」とは「勝つ」という意味で、Win-Winとはすなわち、自分も勝ち、相手も勝つことです。関係する両者ともにメリットがある状態を「Win-Winの関係」として、例えばビジネスならいい競争をすることで両者が儲かり、お客様が喜んでくれれば会社も儲かり、地域社会が活性化すれば近所の店がみんな儲かるといった考え方です。

    『7つの習慣』が大ヒットしたことで、世界的に一躍脚光を浴びた「Win-Win」ですが、考えてみれば昔の日本人は「Win-Win」を商売の信条にしていました。大阪商人、伊勢商人と並ぶ日本三大商人のひとつ、近江商人の心得に「売り手よし、買い手よし、世間よし」の「三方よし」があります。
    売り手の都合だけで商いをするのではなく、買い手が心の底から満足して、さらには商いを通じて地域社会の発展に貢献する。
    売り手・買い手・世間(地域社会)の三方に良い商売こそまっとうな商売だという考え方は、まさに「Win-Win」でしょう。江戸から明治にかけて、近江商人は「三方よし」で信用を得て日本各地で活躍したのです。

    もうひとつ、これまた近年注目されている言葉に「ホスピタリティ」があります。
    「思いやり」とか「心からのおもてなし」などと訳され、外資系ホテルのリッツ・カールトンやディズニーランドのサービスは「ホスピタリティにあふれている」と賞賛されますが、「おもてなしの心」は日本人のお家芸だったはずです。

    「せっかくだからもっと喜んでもらいたい」「そのためには何ができるだろう。」こうした細やかな気遣いや配慮の精神は、私たちの心や体の中に脈々と受け継がれているのです。
    スマートな外来語に踊らされず、ここでもう一度、「古き良き商売魂」を再認識しておこうではありませんか。
    先人たちに学び直すことはたくさんありそうです。

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